再び森友問題

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今週月曜日の朝日新聞記事は問題の本質を突いているものと思う。これほど詭弁を繰り返す役人に支配されている国家というのも、珍しいのではないか。高度成長期には国内テロを誘引する要因にもなっただろうが、現代社会ではそのような時代感覚もない。国会での野党による追及も功を奏せず、相変わらずの不毛の論戦が続いている。立て続けの不祥事や国会答弁の粗雑さに関わらず現状はステータスクオだ。来週からはこぞって閣僚級の外遊が始まるとも伝え聞かれる。膨大な赤字国債を日銀が引き受け、何とかお茶を濁す経済が続いているのは、その根底にある問題が日本人の働かなくなった時代感覚にもあるような気がしてならない。生産性の低い選良を多く抱え、家計はいずれ火の車の時代が静かに近づいている様に思える。

こんな官僚答弁の理屈が通る世の中は明らかに狂っている。


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森友学園への国有地売却時、値引き額はどう算定されたか

 8億1900万円の「値引き」は妥当だったのか――。「森友学園」(大阪市)への国有地売却問題で、大幅な値引き額は、地中のごみの「深さ」と「混入率」で決められた。問題発覚から約2カ月。この二つの数字に疑いの目を向ける野党などと政府との溝は埋まっていない。安倍晋三首相が答弁に立つ17日の衆院決算行政監視委員会での論戦が注目される。

国有地は約8770平方メートル。鑑定価格は9億5600万円だが、財務省近畿財務局は2016年6月、1億3400万円で学園に売った。値引き分のほぼすべては地中のごみの撤去処理費用の名目だ。ごみは最深で地下9・9メートルまであるという前提で見積もられた。

国会答弁などによると、売買契約の3カ月前、「新たなごみが見つかった」と学園側から連絡があり、財務省近畿財務局と、土地を所有する国土交通省大阪航空局の職員が現地を訪問。学園側が小学校建設のため9・9メートルの杭を打ったドリルの先にごみが絡みついている写真などを見て、深さを決めたという。

「地質的に、その深さまでごみがあったとは考えられない」と指摘するのは日本大学理工学部の鎌尾彰司准教授(地盤工学)だ。この土地が昔、池や沼だったことを踏まえ、「3メートル付近より深いところは、埋め立てる前からあった堆積(たいせき)層とみるのが自然」と話す。

鎌尾氏が根拠に挙げるのが、二つの調査結果だ。

一つは大阪航空局が09年度に実施した試掘調査。68地点を掘り、ごみが3メートルより深いところにあったのは5地点。最も深いところでも3・3メートルだった。調査したのは、地下3メートルまでの地中レーダー探査でごみが含まれている可能性がある場所とされている。

もう一つは、森友学園の委託業者の14年10月のボーリング調査。2カ所を地下21メートルと46メートルまで掘り、ビニール片などの生活ごみが見つかった最も深い場所は3・1メートルだった。地下4・4メートル以下からは貝殻片が出ており、鎌尾氏は「昔、海だったときに堆積したものだろう。さらに深い場所でごみが交ざる可能性は考えられない」とも話す。

石井啓一国交相は国会で、野党からの同様の指摘に、「2カ所のボーリング調査だけで判断するのは無理」などと反論している。

■混入率、なぜ倍増

値引き額のあと一つの根拠は、政府が「47・1%」と見積もった土中のごみの「混入率」だ。09年度の全68地点の試掘調査では平均が20・7%だった。なぜ倍増したのか。

政府は、ごみの撤去が必要なのは、建物を建てる場所や周辺と判断。そのエリアを敷地全体の6割とみなし、エリア内の試掘場所の数値を使った、とする。

朝日新聞が入手した調査結果では、エリアには試掘場所が約40地点あり、その平均混入率は30%弱だ。だが、国はそのうちのごみが多かった28地点の数値だけを用いたため、47・1%になったという。

28地点に絞った理由について、国交省幹部は取材に「実際の約400本の杭打ち工事の結果、09年度調査ではごみが出なかった地点でも、28地点と同様のごみが出たため」と説明する。根拠は工事関係者へのヒアリングや掘削後の写真などという。

大阪航空局は、①杭を打つ場所のごみの深さは9・9メートルまであり、撤去費は約6500万円②ほかの場所のごみの深さは、学園が16年3月に実施した調査などを根拠に3・8メートルまでとし、撤去費は約4億5千万円③管理費や消費税は約3億円――と算出した。

財務省の佐川宣寿理財局長は「国は何らか対応せざるを得ない立場にあった。さまざまなリスクを勘案したということ」と説明。国交省の佐藤善信航空局長は「将来、埋設物が出てくるリスクの分だけ土地の価格を下げておく必要があった」とごみの量を多めに見積もったとも受け取れる答弁をしている。

政府は「将来、追加でごみ撤去費が必要になっても国は負担しなくてよい」という特約を結んだ▽ごみ問題で開校が遅れて損害賠償を求められる事態も避けられた――ことからも大幅値引きは合理的と主張する。

野党側は「8億が(妥当か)どうかの説明は一切ない」「国民の財産を恣意(しい)的な見積もりで売却した」と批判している。(坂本進)

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