無知のヴェール

 問題を大きく考えずに、もっとも小さな社会の一つとして、村とか町における正義に関わる問題を考えてください。

 私たちは、なにかうまくいかないことがあれば、逃避するか無関心を装う行為に終始し、何もしない道を選ぶのではないですか。
 私たちは、知らず知らず自己保全、他責の社会に生きています。

 経験論の父としても知られるフランシスベーコンも、その書「大革新」の中において人間の持つ4つのイドラ、即ち、人種のイドラ・洞窟のイドラ・市場のイドラ・劇場のイドラということを言っています。

 自分の知識、心の中のイドラを捨て去る視点を持ち、トータルな意味で社会と共生するメカニズムを創造することなしに共生の持続的社会は達成出来ないのです。
 
バラマキ政治の渦中で一部のグループが利益を独占するような仕組みは長続きするものではありません。このHPあるいはブログではこの街で起きている不公正な慣行、事実を、市民の力で正しい方向に導いていこうという全員参加型のフォーラムを目指しています。
 
そのためにはあらゆる立場の人たちが、その立ち位置を乗り越え、みんなが納得いく解決方法を探っていくために、無知のヴェールという考え方が大切と思っています。無知のヴェールは大変、含蓄のある言葉と思います。
 ご参考;

http://note.masm.jp/%CC%B5%C3%CE%A4%CE%A5%F4%A5%A7%A1%BC%A5%EB/

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%82%BA


無知のヴェールは、ロールズが作りだした概念。
ロールズは、正義は、社会の構成員の合意によって決まるという考えを持っています。

利権団体が自分たちの利益のために、少数派を犠牲にして多数決で決めている。それで、正義と言えるか?ということです。

 無知のヴェールで覆われた自分が、利権を享受できる側にいるか、利権で犠牲になる側にいるかも分からないというところには、正義は育ちません。

 利権指向の議員には、無知のヴェールをかぶせなければならない。
、無知のヴェールをかぶり、自分がただの市民であるということになれば、公平な考えが出来よう。それが、正義に適うということです。

塩野谷祐一
(財団法人家計経済研究所会長)
http://www.kakeiken.or.jp/jp/journal/jjrhe/pdf/56/056_07.pdf